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IPPNW北京大会に参加して

2004年9月26日 全日本民医連 原 和人

 今回始めてIPPNWの総会に参加しました。

IPPNWは、25年前に結成されましたが、当時は、東西冷戦の時代であり、核戦争何分前と「いう状況の中で、核戦争が起こると人類が絶滅してしまうという危機感が非常に強い時代でした。その後、核兵器の削減交渉が行われ、ソ連崩壊に伴って、核戦争までの時計が逆戻りし、ヨーロッパを中心に核への関心が薄まり、IPPNWの活動も一時弱まった時もありました。 しかし、9.11を契機にして、アメリカの軍事優先政策が牙をむき出し、「使える核兵器」の開発など、再び核兵器が使われるという危機感の中で、IPPNWの活動も活発になってきたのではないかと思います。

大会の中で、「政治が健康を障害しているのであれば、それを取り除かなければならない」、それが医師の役割だと強調されたことに、非常に共感しました。戦争によって悲惨な状況が生み出されています。また富めるものと貧しいものの格差がひろがり、そのことが健康障害を生み出しています。もっともっと、フットワークを軽くして、グローバルな視点で、これらの問題に取り組んでいきたいという思いです。

今回のIPPNWの総会には、「つどい」からの参加者が全体の1割強を占め、総会の成功のために大きな役割を果たしました。特に、若い、語学が得意な青年医師も多く参加し、「つどい」としても、大きな成果のあった総会だったと思います。今回参加された若い医師が、核兵器の廃絶に向けて大きな役割を果たしていただくことを期待します。

今回北京で開催され、北アジアのIPPNWの活性化につながればと考えていましたが、中国からは幹部のみの参加、南北朝鮮からは実質的な参加がないということで、この点だけは残念でした。今後、いろいろなルートを通じて、北アジアのIPPNWの活動を活発にしていき、北アジアの非核地帯を実現する運動の中心にしていきたいと思います。

今回のIPPNWは非常に厳しいスケジュールでした。北京でお世話になった現地の旅行者の方から「こんな真面目な集団をみたことがない」と言わしめるほど、「真面目」に総会に参加しました。きついスケジュールにもかかわらず、元気で日本に帰ってこれたことが何よりでした。

皆様のこれからの活動に期待しています。