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IPPNW(北京)に参加して
「核戦争に反対し平和を求める茨城医療人の会」世話人
茨城民医連・茨城保健生協 城南病院付属クリニック 石井啓一
今年の3月「核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会」が発足したのをきっかけにIPPNWに参加する事になりました。もともと一度は行きたかったのですが、こんなに速く実現するとは思いませんでした。産婦人科医のマッコイ会長の「テロにも、テロに対する戦争にも反対しよう」という力強い発言に始まり、広島の秋葉市長のスピーチは首相を交代してほしいと思わせるほど立派なものでした。スピーチが終わると会場は拍手の嵐に包まれました。市長はアメリカで研究生活を送ったことがあると紹介されていましたが、よどみのない流暢な英語で、アメリカに明確な謝罪を求めたことには驚きと感動を覚えました。歴代の大統領はすべて原爆投下を肯定しています。日本の歴代首相は肯定はしませんが、アメリカに謝罪を求めた人は1人もいないはずです。次に秋葉市長は広島長崎を後世に伝えることの重要性を強調しつつ、残念ながらその痛ましい犠牲は現在の平和のために十分生かされているとはいえないことを訴えました。特に9.11以降のアメリカの単独行動主義とイラク戦争を厳しく批判、今、世界は危機的な状況にあることを訴えました。首相たるに相応しいと思える第二点です。その日のディナーパーティで偶然名詞を交換する栄誉に浴したときに、茨城にも講演に来てほしいとお願いしましたが、市長という立場からはあまり地元を留守にするわけにもいかないようです。
今から25年前に台湾の雪山に登ったことがあります。その時に台北の故宮博物院に行ったことがあるのですが、陶磁器をはじめ豪華絢爛たる宝物の数々が陳列されていました。本家の故宮は広大な建造物があるのみで陶磁器などの展示は少なくほとんど残されていない印象でした。早く収まるべきところに収まってほしいと思うのは私だけではないでしょう。しかしそれは中国人が話し合いで決めることですね。故宮の北側には人工の山があり(景山公園)そこからは故宮をはじめ北京市内を一望に出来ます。山まで作ってしまう権力の大きさには驚きます。
そのほかにもIPPNWは、私にとってとても刺激的でした。とりわけ放射性物質が秘密裏に取引されており、その実態を把握できないことや、北アジアに非核地帯を作ろうという取り組みがあることなどは大変興味深く聞きました。もしかしたら病み付きになってしまうかも。
以下Dr. McCoy のスピーチの一部です。(IPPNWのホームページより。)
We reject not only terrorism, but also war as a response to terrorism. We call on all physicians, medical students, and other health workers to join IPPNW in our medical mission to prevent nuclear holocaust and to pursue peaceful, non-violent resolutions to conflict. The need to do so is as urgent as ever before.
景山より故宮をのぞむ