IPPNW北京大会に参加して
―――今後への願いをこめて―――
団長:松井和夫
北京訪問は、IPPNW北アジア大会以来5年ぶり。その時でさえ、北京の急成長振りに驚かされたが、今回はその比ではなかった。街には新車が溢れ、建設中を含めおびただしい数の超高層ビルが林立。隣国の経済発展を素直に喜びたいが、今でも世界第二の石油消費国。今後も車が爆発的に増え、さらに産業用の石油消費も急速に増えるとなると世界の環境問題はどうなるのだろうか? さらに、急速な経済発展の陰で貧富の差も拡大し農村では医者にかかるのも困難な状況など抱える問題の深さを憂えずにはいられない。
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さて、大会では秋葉・広島市長の講演を筆頭に、個々の演題は素晴らしかった。いつもながら、世界各国の活動家たちの熱き思いを込めたさまざまな運動の報告を直接聞くことで、感動と勇気が与えられる。参加した者のみが味わえる特権であろう。
北アジア地域の連帯が今後の平和運動の鍵なのに、今回も北朝鮮の参加が直前キャンセル、韓国はゲストスピーカーのみ、主催国中国もごく限られた医学部関係者のみ(?)の参加であった。今回の大会でその連帯の端緒を作りたかっただけに極めて残念であった。また、北アジアで開催されるのを機に在外被爆者のワークショップを開くことを希望したが、それも叶わなかった。
その他、テーマが学術的なことにますます偏って行っているように感じた。学術性を否定するわけではないが、それのみで行動に繋がらなければ反核運動でノーベル賞を受賞したIPPNWの名前が泣くというもの。
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今回、ミサイル防衛に関するワークショップで、「日本の立場から見たミサイル防衛」というプレゼンテーションを私が担当することになった。英語のプレゼンは初めて。準備に苦労も多々あったが、いろいろな方のご協力を得て無事発表することができた。そして、結果は上出来だったと勝手に自己評価している。
英語に関しては、初めてのメルボルン大会(1998年)で、自分の英語は全く実用にならないと大ショックを受けて以来それなりに努力してきたつもりだが、年齢の壁か、努力が足りなかったのか(まあ、これでしょうが)、才能が無かったのか、結局最後まであまり上達しなかった・・・・。
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核問題のみならず、今やあらゆる問題が地球規模で起こり、アメリカが絡んでいる。「憲法を守る」運動でも国際的な視野と連帯も必須である。そのためには海外とのEメールやメーリング・リストの活用など高度な英語力が必要。若い人に対して特に、英語でタイムリーに議論できるレベル(流暢にという意味ではない)の語学力と発表能力を身に付けていただきたい。今後「反核医師の会」のどなたかが、毎回、プレゼンテーションやワークショップの企画や講演などを行われることも期待している。