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「核兵器廃絶に背を向ける被爆国日本政府の態度と、日本での運動の課題」
東京反核医師の会
谷川智行
核兵器の廃絶のため、世界中から集まった皆さん、こんにちは。
私は、日本から参りました、小児科医の谷川智行と言います。
人々の命と健康を守る医師として、核兵器廃絶の運動にかかわってきました。
私は、被爆地「長崎」の出身です。
被爆者は、被爆から61年以上経った今も苦しみ続けています。
被爆者の方々が生きてこられたこの61年間は、人類と核兵器が共存できないことを、
はっきりと示しています。
核兵器の製造と使用は、人類の生存そのものを脅かすものであり、人類全体に対する、絶対に許すことのできない犯罪です。
しかし、地球上には、今もなお27,000発もの核兵器が備蓄・配備されており、人類は常にその脅威にさらされています。
アメリカ合衆国は、2005年のNPT再検討会議で、核保有国が核兵器廃絶を達成するという「明確な約束」の具体化を妨害しました。そして、「テロや拡散の阻止」を口実に、新たな核兵器の開発を進めており、核兵器の使用を公式の方針とし打ち出しました。米軍基地の再編・強化もすすめています。
そして、このような合衆国の核兵器使用政策に追随し、一緒になって「戦争する国」への準備を着々とすすめているのが日本政府です。被爆国であり、核兵器廃絶にもっとも本気で取り組まなければならないはずの日本の政府です。
日本の首相は、あの侵略戦争が正しかったと主張し宣伝を続けている「靖国神社」への参拝を続けています。しかも、彼らは、「戦争はしない」「軍隊はもたない」と誓った『日本国憲法第9条』を変えようと、本格的な準備をはじめています。
しかし、日本の国民も黙ってはいません。今、日本では、核兵器廃絶の運動、『憲法9条』を守ろうという運動が、着実に、そして力強く広がっています。
私は、日本と世界の宝である『憲法9条』を守り抜くとともに、日本に核兵器廃絶の立場に立つ政府をつくるために力を尽くします。
最後に、この地球上から核兵器を、戦争を、そして暴力をなくすという仕事を、医師としての、生涯をかけた仕事としてやり抜く決意を申し上げて、私の発言とします。
No more Hiroshima! No more Nagasaki! No more Hibakusha!
以上