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核はいっちょん好かん
作るばい安全な未来、核なき世界
−第25回反核医師のつどいin福岡を開催−

 

2014年11月1日、2日に福岡市内で「第25回反核医師のつどいin福岡」が開催され、医療関係者、市民ら270名が参加した。
 今回のつどいは、国内からの参加者にとどまらず、韓国の反核医師の会(DAN)から、共同代表の白道明(ペクドミョン)氏、運営委員の金美靜氏(キムミジョン)と盧泰孟氏(ノテメン)が参加し核兵器廃絶と原発反対運動での交流を行った。
参加者の総意で東アジアの平和と非核化、そのために憲法9条を守りいかすことを誓うアピールを採択した。

 つどいには、広島市や長崎市及びマスコミ6社(朝日、毎日、西日本の新聞各紙とRKB毎日放送、FBS福岡放送、テレビ西日本の放送3社)から後援を受けた他、広島市長、長崎市長だけでなくIPPNW(核戦争防止国際医師会議)の共同代表などからメッセージが寄せられた。各講演の概要を報告する。 記念講演では、伊藤千尋氏(元朝日新聞記者)が「憲法を活かす・地球を守る」をテーマに講演。特派員時代の取材経験から、自然エネルギーに転換したドイツ、憲法で原発を禁止したオーストリア、原発を一度も使わずに廃炉にしたフィリピンが紹介され、原発に固執するあまり自然エネルギー後進国に陥った経緯が語られた。 安倍首相が用いている「積極的平和主義」というスローガンは戦争行使のためのものであるが、「平和学」では、戦争につながるものを一つ一つ無くしていく意味であること、コスタリカが、軍事費を教育費に差し替え、兵士の数だけ教師を作ろう、兵舎を博物館に変えようと訴えたことが紹介された。 学習講演1では、纐纈厚氏(山口大学副学長)より「私たちは、東アジアにどう向き合うのか」をテーマに、講演された。 安倍首相の祖父岸信介は、満州帝国の経営者であり、植民地主義者として日本をアジアの盟主とすることに血道をあげ、敗戦後A級戦犯から逃れ日本国首相として復活し、現在に至っていること、それを阻止できなかった私たちにいま問われていることは何かとの問題提起が私たちに投げかけられた。 学習講演2では「韓国の反核運動においての医療人の取り組み」として白氏から「韓国反核医師会の調査・研究及び政策活動」について、?氏からは、密陽(ミリャン)送電塔建設地域においての住民たちの人権及び健康の調査活動、C道(チョンド)?密陽(ミリャン)送電塔工事の反対運動に対する連帯活動の報告を受けた。その後纐纈氏と韓国反核医師のメンバーが一同に登壇し会場からの質疑を含めてシンポジウムを行い日韓の核兵器廃絶、脱原発、東アジアの歴史問題について大いに交流した。 2日目の分科会では、第1分科会「核廃絶と平和問題」として、熊野直樹氏(九州大学大学院法学研究院教授)が「憲法と日本の安全保障」をテーマに安倍首相の集団的自衛権行使容認の閣議決定やその後の一連の行動について、“憲法9条骨抜き3点セット”と呼称され、「わあわあ騒ぐ」ことが重要であるとの問題提起がされた。木村朗氏(鹿児島大学法文学部教授)からは、「核廃絶の歴史と現状」をテーマに核兵器廃絶の歴史と展望について、一つつの本になるほど詳細なレジュメで報告され、NPT再検討会議に向けて核兵器廃絶の大きな国際世論について参加者とも深められた。 第2分科会「原発と代替エネルギー問題」として、吉岡斉氏(九州大学比較社会文化研究院教授)が「原発問題の現状と今後」をテーマに原子力やエネルギー政策の展望について報告され、政府審議会での数少ない脱原発派として取り組んだ経験から、脱原発と自然エネルギーへの転換のためには、直球だけではなく変化球も投げる必要があるとし、脱原発の方針を掲げる政権が誕生した際の原子力政策を担う意気込みで専門家集団による原子力市民委員会を立ち上げ、専門家の立場から市民運動と連携していることが紹介された。 岡本良治氏(九州工業大学名誉教授)が「脱原発と代替エネルギー」をテーマに、原発即時ゼロと段階的になくしてくという2つの国民世論について分析され、真に原子力に依存しない社会をつくるために、再生エネルギーだけではなく、省エネ、高効率化、節電の重要性をとかれた。

第1分科会 熊野直樹氏(九州大学大学院法学研究院教授)

資料

第2分科会 九州工業大学名誉教授 岡本 良治

資料@ 資料A