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第28回反核医師のつどいin東京

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日時:2017年11月4日(土)〜5日(日)
場所:東京・お茶の水 平和と労働センター・全労連会館2階

向山新(反核医師の会・実行委員長)

メインテーマ:結成30年 被爆の実相に立ち返り 核なき世界を

 

 <概要>

 第28回反核医師のつどいn東京は、創立30周年を迎え、7月に国連で核兵器禁止条約が採択され、ICANがノーベル平和賞を受賞するといううれしい出来事のなかで、11月4、5日に開催され194人が参加した。
 IPPNW日本支部代表支部長で日本医師会長の横倉義武氏より、「貴会が参加するICANのノーベル平和賞受賞をお祝いすると共に、その直後に開催されるこの「つどい」に大きな意義を感じております」とメッセージを頂いた。また、ICANの創設者の一人でIPPNW共同代表のティルマン・ラフ氏からのビデオメッセージでは、「核兵器の廃絶という最も緊急の使命達成に向けて、また、無差別の放射能による暴力という脅威をこの地球上からなくすために、皆さん方と今まで以上に連帯することを希望します」と述べられている。全体会では、中川武夫代表世話人から、反核医師の会30年のあゆみが報告された。
記念シンポジウムとして「核兵器禁止条約から核兵器の廃絶を」をテーマに、ノーベル平和賞授賞式に参加する被団協の藤森俊希氏とピースボード共同代表で、ICAN国際運営委員の川崎哲氏、そして、ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダーの林田光弘氏がパネリストとして報告した。

<11月4日 スケジュール>
14:00‐14:15 開会挨拶
14:15‐14:30 ティルマン・ラフIPPNW共同代表(ビデオメッセージ

祝電・メッセージ

横倉義武氏(IPPNW日本支部代表支部長、世界医師会会長、日本医師会会長)


14:30‐15:00 反核医師の会30年の歩み 中川武夫共同代表


15:00‐17:00 シンポジウム「核兵器禁止条約から核兵器の廃絶を」
【パネラーとテーマ】

<概要>

シンポジウム「核兵器禁止条約から核兵器の廃絶を」

 今年7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、9月20日から各国の署名が始まり、50カ国が批准すれば条約が発効するという状況の下で、今後、どのような活動が必要なのかについて、ICAN国際運営委員でピースボートの共同代表の川崎哲氏、被団協事務局次長の藤森俊希氏、「ヒバクシャ国際署名」の事務局キャンペーンリーダーで被爆3世である林田光弘を招いてシンポジウムを行った。準備をしているさなかの10月初めに、ICANのノーベル平和賞の受賞が決まり、その授賞式に川崎氏と藤森氏が参加するという、まさに「時の人」に参加していただいたタイムリーな企画となった。

・ピースボート共同代表 川崎哲氏 
核兵器禁止条約成立を経て、今後の動きをどう見るか

 川崎氏は、最初にICANのノーベル平和賞の受賞にふれ、これはICANという運動が受賞したのであって、その先頭にたって核兵器の非人道性を訴えてきたヒバクシャや反核医師の会を含む多くの市民組織の運動の成果であり、これまで運動を支えてきた人たちに与えられたものであること強調された。そして、核兵器禁止条約の内容にふれ、この条約は包括的な核兵器禁止条約であり、核保有国も含めて多くの国々に批准を訴えていく必要がある。そして、NPT再検討会議と共同して運動をすすめること、核兵器禁止条約の内容を知らせること、被爆の実相についてさらに訴えること、核兵器関連企業とのかかわりの禁止などを働きかけていくことなど、今後の課題を提起された。

・日本原水爆被害者団体協議会 事務局次長 藤森俊希氏
 被爆者の立場から--被爆の実相--

 藤森氏は1歳4ヶ月の時に広島で被爆し、4番目の姉が爆心地近くで被爆し行方不明になっているなど、家族の被爆の状況と被爆直後の実相を語られるなかで、原爆はいかに非人道的な兵器であるかについて訴えられた。そして1956年に「自らを救う」と共に「人類の危機を救う」という目的で被団協が結成され、国連を始め世界各国に核兵器の非人道性と核兵器の廃絶を訴え、それが核兵器禁止条約に結びつき、現在、ヒバクシャ国際署名を訴えていることを話された。

・ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダー 林田光弘氏
若い世代の核廃絶運動--核廃絶運動を一般化していくために--

 林田氏は、核兵器廃絶の運動を一般化していくことが大切であり、そのためには、上から目線のお説教的な訴えではなく、現実的に今の日本や北朝鮮に核兵器が投下されたらどういう状況になるのか、広島・長崎の被爆の実相を思い起こしながら、一緒にイメージして訴えることが重要であると強調された。
参加者からは、これからヒバクシャが亡くなられていく中で、被爆の実相を訴えていくためには、被爆の証言を残していく活動をしていく必要がある、日本政府を変えるためには、地元の国会議員にもっと訴える必要があるなどの提案がなされた。さらに、しんどいと思う運動は決して広がらない、間口を広げながら多くの人々と楽しい運動にしなければ運動が発展しないという意見も出された。そして核兵器の非人道性をさらに明らかにしていく上で、医療の専門家である医師が果たさなければならない役割も強調された。さらに12月10日のノーベル平和賞の授賞式には、もう一度世界がICANに注目する時期がくるので、その時に合わせて、どのような訴えをするのか、特に、反核医師の会の強みとして全国に組織があり、全国各地での活動への期待が述べられた。
2013年にオスロで核兵器の人道的な結末についての国際会議が開催された後、ICANは、「核のない世界への列車は、ついに出発した。これから、いくつかの駅に止まるたびに、降りる乗客もいるし、新しく乗ってくる乗客もいるだろう。しかし、列車は確実に核兵器のない世界に向かうだろう」と述べた。今、まさに列車は核兵器禁止条約駅を発車した。これからの駅でより多くの乗客が乗るように運動をしなければならないし、一番重要なことは、日本がその列車の乗客になるよう運動することが大切である。

17:00‐17:30 IPPNWヨーク大会の報告

18:30−20:30 レセプション

<11月5日 スケジュール>

9:00―11:30 分科会

第T分科会 ヒバクシャは語る ヒバクシャから学ぶ

 〜語り手〜

  *児玉 三智子さん(日本被団協事務局次長)

 

  *久保山 榮典さん(埼玉県原爆被害者協議会【しらさぎ会】副会長)

 〜被爆者の相談活動に従事されてきた観点から〜

  *村田 未知子さん(一般社団法人 東友会)

 

第U分科会 避難指示解除後の福島は今

 講師:松本純医師 他

11:30―12:00 全体集会

分科会報告

まとめ

アピール採択

閉会挨拶