反核医師の会では、2月28日、核軍縮国会議員ネット-クの各議員にNPT再検討会議に向けた要望書を提出しましたので、ご紹介します。

核軍縮・議員ネットワーク・日本 (PNNDJAPAN) 議員各位

2005年・核不拡散条約(NPT)再検討会議についての要望書

2005年2月28日

核戦争に反対する医師の会

代表世話人 児島  徹

代表世話人 松井 和夫

 日々、世界と日本の核軍縮を前進させるために、ご尽力いただいていることに心より敬意を表します。

 今年は被爆60年です。また5月には、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開催されます。

 前回2000年のNPT再検討会議では、核兵器廃絶を求める世界的な世論の高まりの中、核兵器保有5カ国政府による核兵器廃絶の「明確な約束」を含む最終文書が合意されました。これは核兵器廃絶への前進でしたが、以来5年、核兵器廃絶の問題はなんら具体化せず、あらたに小型核兵器の開発など核兵器使用の危機は逆に大きくなっています。

 いま、核兵器廃絶を求める流れは、国内外で大きく広がっています。昨年9月には新アジェンダ連合7カ国の外相が共同署名の論文を発表し、「核軍備撤廃」を訴えています。また、世界平和市長会議(会長・秋葉忠利広島市長)も2020年までの核兵器廃絶の提唱と「緊急行動」をよびかけ、ニューヨークでの100万人大行動などを計画しています。

 国内においては、全国の717市と東京23区が加盟する全国市長会(会長・山出保金沢市長)が、5月のNPT再検討会議を前に「核兵器のない世界が一日も早く実現されるよう強く求める」との決議文を採択しました。

 私たちは、1987年以来、国際法にも違反する非人道的兵器である核兵器の廃絶を求めて様々な活動をおこなってきました。特に、私たちは住民の生命と健康を守る医師、歯科医師、医学者としての立場から核戦争に反対し、核兵器廃絶を求める活動をおこなってきています。その立場から今年のNPT再検討会議が核兵器廃絶にむけた明確な前進ができるよう運動をすすめる決意です。

 被爆60年、広島・長崎の惨劇を、この地球上のいかなる地域でも繰り返すことがあってはなりません。5月のNPT再検討会議が、前回の会議で合意された核兵器廃絶の「明確な約束」を実現にするために、具体的な道筋を決め、核兵器廃絶の交渉が開始されるものでなければならないと考えています。

 この立場から、貴職が以下の点を強力に推進していただくよう要望します。

一、唯一の被爆国である日本政府に対し、上記実現のために、最大限の外交努力を払うよう働きかけて下さい。

一、国として、世界平和市長会議やNGOなどの活動に財政支援などの援助や再検討会議での活動に最大限の便宜を図るよう努力して下さい。

 よろしくお願い致します。

以上