原爆症認定集団訟・仙台地裁判決にあたって
2007年3月20日
核戦争に反対する医師の会
代表世話人 児島 徹
代表世話人 山上 紘志
代表世話人 中川 武夫
3月20日、仙台地方裁判所は、原爆症集団訴訟に関して原告2名に対し、原爆の放射線と病気との因果関係を認め、厚生労働大臣の認定申請の却下処分を取り消す判決を下した。昨年の大阪、広島、今年1月の名古屋の3地裁判決に続き、認定症を否認した国の被爆行政を断罪した。
判決では、被爆した放射線量を基に性別や年齢を考慮し、がんなどの発生リスクを表示する「原因確率」を用いた現在の国の審査基準について「残留放射線による外部被曝(ひばく)や内部被曝の影響を過小評価している」と指摘。これまでに出た3つの判決と同様、「機械的に適用するべきではない」と批判した。
国は、高齢化した被爆者の現状も深刻に受け止め、控訴せず、原爆症と認定すべきである。そして、昨年の大阪地裁、広島地裁、名古屋地裁についても控訴を取り下げ、あわせて現在の厚生労働省の原爆症認定制度を抜本的に見直すことを強く要求する。