原爆症認定集団訟・熊本地裁判決への控訴に対し断固抗議する

2007年8月13日

核戦争に反対する医師の会

代表世話人 児島  徹

代表世話人 山上 紘志

代表世話人 中川 武夫

 8月10日、厚生労働省は、7月30日の原爆症認定集団訴訟・熊本地裁判決を不服として、控訴した。

これまでの大阪、広島、名古屋、仙台、東京と今回の熊本の地裁判決は、いずれもが「認定基準の機械的適用は放射線リスクの仮称表をもたらす恐れがある」などと国の認定行政を断罪している。

安倍首相が、8月6日と9日に、被爆地広島と長崎で、被爆者と面談した際、認定基準の見直しを明言したのは、ポーズであったのか。見直しを言うのであれば、控訴を取り下げるべきである。

被爆という悲惨な事実、そしていまだにその深い傷を肉体的にも社会的にも、背負わされている被爆者と日々接している医師、医学者として、国と厚生労働省の態度はとうてい容認できない。

 私たちは、今回の控訴に強く抗議するとともに、あらためてこの間の地裁判決をすべて受け入れ、控訴を取り下げること、さらに被爆と健康の実態に即し、かつ国家補償の精神に立った原爆症認定行政へとただちに改善の努力をはじめるよう強く要求する。