原爆症認定集団訴訟・札幌地裁判決について

2008年9月24日

核戦争に反対する医師の会

代表世話人 児島  徹

代表世話人 山上 紘志

代表世話人 中川 武夫

22日、長崎地方裁判所は、原爆症認定集団訴訟において、原告7人のうち4人を原爆症と認定する判決を言い渡した。

今回の判決は、厚生労働省の「新しい審査方針」が示されて以降、5月の仙台高裁、大阪高裁、6月の長崎地裁に続く4度目の判決であるが、そのいずれもが国の原爆症認定の在り方を断罪し、国の認定基準の抜本的見直しを迫るものとなった。

判決では、新しい審査方針には、放射性降下物や誘導放射能による被曝線量が過小評価されている可能性があること、内部被曝の影響についての検討が十分とはいえないことなどが指摘された。

さらに判決は、「新基準」で積極認定の対象となっていない肝機能障害や甲状腺機能障害、高血圧症の症状による認定を求めていた原告四人について「爆心地付近を歩いて通っており、相当量の被爆を受けている」などとして、原爆症と認定した。

高齢化した被爆者には残された時間は長くない。国、厚生労働省は、直ちに被爆者全員を救済するため、控訴断念、「審査の方針」の再改訂、集団訴訟の一括解決、被爆者への謝罪を強く要求する。