原爆症認定集団訴訟千葉地裁判決について

2008年10月17日

核戦争に反対する医師の会

代表世話人 児島  徹

同   中川 武夫

同   山上 紘志

14日、千葉地方裁判所は、原爆症認定集団訴訟に関して、原告4名に対する厚生労働大臣の却下処分を違法とし、未認定だった2名の却下処分を取り消して原爆症と認める全面勝訴判決を言い渡した。

この間の全国の地方裁判所では、ほとんどの原告を原爆症と認める判決が繰り返され、今年5月の仙台高裁、大阪高裁の各判決では、被爆者全員を原爆症と認める判決が確定している。今回の千葉地裁判決では、「DS86及び原因確率のいずれにも一定の限界があり、これらを機械的に適用して放射線起因性を判断するのは相当ではない」と従来の国の方針の誤りを指摘した。

また、判決では今年4月から実施されている「新しい審査の方針」で積極認定の対象となっていない肝機能障害であるC型肝炎ウイルスによる肝硬変や脳梗塞についても、放射線起因性を認めた。さらに、積極認定の対象とされながら、わずかしか認定されていない心筋梗塞についても、放射線起因性を認め原爆症と認定した。

もうこれ以上、63年余の被爆者の苦しみに追い討ちをかける非人道的態度は許されない。

我々は、国と厚生労働省に対し、@今回の判決を受け入れ、この間の地裁判決の控訴をすべて取り下げること、A被害の実態に即した審査・決定のあり方を抜本的に改め、集団訴訟を全面的に解決し、全ての被爆者を救済すること、B被爆国の政府として、被爆者の悲願である核兵器廃絶と国家補償の実現をはかること、を強く要求する。

     以上