「原爆症認定集団訴訟の原告に係る問題の解決のための

基金に対する補助に関する法律」の成立にあたって


2009年12月4日

核戦争に反対する医師の会
代表世話人  児嶋  徹
  同   中川 武夫
  同   山上 紘志

 11月1日、「原爆症認定集団訴訟の原告に係る問題の解決のための基金に対する補助に関する法律」が、衆議院本会議において欠席した自民党を除き全会一致可決成立しました。

 これは、今年86日、日本原水爆被害者団体協議会と当時の麻生内閣総理大臣・自由民主党総裁との間で締結された、「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」に基づき具体化されたものです。これは、6年半以上にわたって自らの命をかけて原爆症認定集団訴訟をたたかってこられた被爆者の方々を先頭にした運動の成果です。

唯一の被爆国の医師として、長年にわたり被爆者に寄り添い、被爆医療や意見書作成、訴訟支援などに関わってきた医師、医学者の団体として、心より歓迎するものです。

 しかし、被団協、原告団、弁護団と厚生労働大臣との定期協議は、未だ開かれていません。政府、厚生労働大臣は、すみやかに定期協議を開始し、8千件とも言われる原爆症認定申請の滞留問題、原爆被害の実態に沿った原爆症認定制度への改善など、解決すべき問題の具体化をはかるべきです。

 オバマ米大統領が「核兵器のない世界」に向けて行動すると宣言したことで、被爆者が願って止まない核廃絶核廃絶に向けた世界的な潮流は、かつてないほどに勢いを増しています。

私たちは、唯一被爆国の日本政府がリーダーシップを発揮し、こうした世界的な流れを加速させ、一日も早い核兵器の廃絶を実現させる具体的行動の一つとして、核兵器被害の事実・実態を全世界へ一層広めていくべきです。

私たちは、平和を願い被爆者医療に関ってきた日本の医師として、再び被爆者を生み出すことがないよう核兵器廃絶を広く訴えていく決意です。