原爆症認定の東京地裁判決を尊重し、国の控訴断念を強く求める

200445

核戦争に反対し、核兵器廃絶を求める医師・医学者のつどい

代表世話人 児島  徹

代表世話人 松井 和夫

 59年前、学徒動員中の長崎市で被爆した東京都の東数男さんが、原爆症認定申請の却下は不当だとして、国を相手に不認定処分の取り消しを求めた訴訟の判決が、331日、東京地裁でおこなわれ、厚生労働省の申請却下を不当とし、原爆症と認定する判決が下された。

 今回の判決は、被爆がC型肝炎の発症や進行を促進した可能性を指摘した論文があることや、被爆の状況、症状などを全体的、総合的に判断した結果、被爆と病状の因果関係を認めた画期的なものである。

 今回の判決は、国による被爆者切捨ての行政の誤りを明確にするとともに、原爆被害を実情に即して判断することの重要性を指摘した。国は、判決を真摯に受け止め、被爆者の立場にたった援護行政への抜本的な見直しと高齢の被爆者をこれ以上苦しませないため、控訴断念を強く求める。