1999年11月

主管:反核医師の会関東ブロック



第10回反核医師・医学者のつどいアピール(99・11・21)


「私たちは軍医にはならない!!」
The doctors say No Nukes!


第10回「核戦争に反対し、核兵器廃絶を求める
医師・医学者のつどい」アッピ―ル

 

 「核戦争に反対し、核兵器廃絶を求める医師・医学者のつどい」に参加する私たちは、第10回の「つどい」を関東の各県が協同で、そして青年医師たちの積極的な参加のもとで開催しました。医療に携わるものとしていのちの輝きの多様性を知る私たちは、唯一の被爆国の国民として社会的良心を発揮し「核のない21世紀を子供たちへ!」のスローガンのもとで「核戦争に反対し、核兵器廃絶」をめざして活動してきました。

 1999年5月、国民の反対を国会内の数の暴力で押し切り、日本政府はアメリカの核抑止力政策に加担する新ガイドラインを承認させました。安保条約の枠を超え、自衛隊の海外派遣を認め、医療機関をも戦争に巻き込むこの新ガイドラインは、まさに「戦争法」として、日本を再び「戦争をする国」に変えるものです。「つどい」に参加する医師たちはこの新ガイドラインに反対する署名を、日本の医師・医学者に広く訴える運動に参加し、数次にわたる国会要請活動にも積極的に参加しました。私たちはこの日米協定を発動させない運動に取り組んでいきましょう。唯一の被爆国でありながら日本政府は、アメリカの核の傘政策に固執しています。核兵器持ち込みを黙認する「核密約」を隠し、国是である「非核三原則」を実質的に空洞化しています。

  さらに第54回国連総会でも新アジェンダ連合が提案した「核兵器廃絶条約の締結を求める決議」には棄権し、逆に「究極的核廃絶決議案」に固執しています。私たちは、このような日本政府の核兵器政策に“つどい”として強く抗議するものです。また、9月30日に起こった東海村JCO事故をみても、日本の原子力政策について深刻な危惧をいだくものです。

 私たちは、私たちの運動の原点として日常的に被爆者医療に携わり、被爆者に連帯し、学ぶ活動を続けています。IPPNW世界大会や地域会議に参加し、さまざまな工夫をこらし被爆の実相を世界の医師たちに伝え核廃絶を訴えてきました。この活動はIPPNWが“核廃絶”を機軸にした運動方針を確立するうえで大きな役割を果たしています。この活動を一層強化していきましょう。国内においては、国家補償となっていない被爆者援護法を真に被爆者の立場にたって改めさせていく運動の取り組みを強めていきましょう。

 厚生省によって不当にも最高裁判所に上告された「松谷訴訟」の闘いを強化して最終勝利にむけ奮闘していこうではありませんか!さらに、北アジアのヒロシマ・ナガサキ原爆被爆者への医療の取り組みを北アジア諸国IPPNW支部と交流しつつ連携・強化していきましょう。

 日本国政府に核兵器政策の根本的転換を迫り、核保有国に核兵器先制不使用を決議させ、期限を区切った核兵器廃絶条約を締結させていくうえでも核廃絶の世論を高めていく必要があります。“つどい”の会員を増やし「反核医師の会」のない県の克服をしていくために連帯を強化していきましょう。

 「核のない21世紀をこどもたちへ」の実現にむけて医師・歯科医師・医学者として社会的良心を一層発揮しよう。この国を愛する私たちは、「第10回つどい」の名のもとに宣言する。「私たちは軍医にはならない!」

1999・11・21