【戻る】

アピール

唯一の被爆国の医師として命と平和を守るために闘おう

昨年の第13回「集い」以降、国内外の情勢には大きな変化がおこった。国際的には米国は、イラクを標的として大量破壊兵器の所有やビンラディン氏とのつながりを強調した。国連査察団は国連決議にもとづき、大量破壊兵器の査察を開始したが、米英軍は、国連のルールを無視してイラク侵攻を強行した。未だに戦争終結には到らず、イラクでは米英軍の占領統治に反発するテロや暴動が頻発し、民間人や兵士、警察、国連職員などの犠牲者が続出している。米国が主張した大量破壊兵器も発見されず、イラク国民の平和な生活の到来も程遠い状態にある。米国はイラク戦争開戦にあたって核兵器の使用も排除しないと、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、バンカーバスターなどの残虐兵器を使用した。ブッシュ大統領は従来の核抑止戦略を捨て、小型核兵器を通常兵器と有効に組み合せ、相手を先制攻撃により殲滅しようというNPR(核態勢見直し)の危険な新戦略を打ち出した。ロシアもこれに続き先制攻撃戦略を最近打ち出している。

一方、このイラク戦争を通じて、1000万人というかつてない程の規模で国際反戦運動が捲きおこり、国連安保理の決議にも影響を与えた程であった。

 国連は今回のイラク戦争をめぐってその機能が試される機会でもあった。憲章にもとづいて戦争を阻止することはできなかったが、仏・独などが戦争へ突入しようとする米・英の単独行動主義に対して異議をとなえ、多国間協調による平和的解決を強く主張した。

 またNPT(核不拡散条約)体制からの離脱を宣言した「北朝鮮」は核開発を断念せず、「抑止力は必要」と主張し、核実験の用意があることを公言している。一方、米国は自らは核兵器廃絶の約束を反故にして垂直拡散を加速し、他国に対しては核拡散の断念を一方的に強要している。

 このような激動と緊迫の国際情勢の中で、日本政府はいち早く米英が強行したイラク戦争に支持を表明した。そしてこのような国際緊張をてこにして、周辺事態法、テロ特措法、有事法制、イラク支援法などを強行成立させ、平和憲法を真向から否定し、自衛隊の海外派兵に道を開くという暴挙に出た。日本はいま、米国の意図する戦争に参加する道を歩もうとしている。

 われわれは、第14回目となる今回の「つどい」でブッシュ政権の世界戦略の本質を暴き、分科会では有事法制の発動を阻止するために闘うこと、名護新基地建設を阻止すること、二度と世界にヒバクシャをつくらないために原爆症認定集団訴訟の勝利に向けて支援の輪を広げること、医師や医療従事者特に若い医師・医学生に戦争・核・基地をめぐる国内外の実情を広く伝え平和学習を進めることなどについて熱心に語り合った。

 われわれは、戦争・核・基地の諸問題が集中しているこの沖縄の地から、唯一の被爆国の医師として、人のいのちと平和を守ることを断固として誓い、そして訴える。

2003年11月2日

第14回核戦争に反対し、核兵器廃絶を求める医師・医学者の集い