<基調報告>
<愛知宣言>
<資料集>
<後援・メッセージ>
<チラシ>

なくそう核兵器 なくすな9条 第16回つどいIN愛知を開催

  10月22日、23日の2日間、愛知県名古屋市の中京大学名古屋キャンパスにおいて、「核戦争に反対し、核兵器廃絶を求

める医師・医学者のつどいIN愛知」が開催された。 今年で16回目を迎えた「つどい」には、全国と愛知から313名と過去2番目となる参加者で、核

廃絶についての活発な討論がおこなわれました。今回のテーマは、「なくせ核兵器 なくすな9 条―被爆60年を節目に、新たな決意で前進を」。

 初日のシンポジウムでは、「戦争・核の恐怖から抜け出す平和への道―日本の果すべき役割は?」をテーマに、浅井基文氏(広島市立大学広島平和研究所所長)、本秀紀氏(名古屋大学大学院法学研究科教授)、高草木博氏(日本原水協事務局長)の3氏が発言し、参加者との討論をおこないました。

 浅井氏は、「いま問題なのは核兵器に対する関心の低下と、被爆者の高齢化で体験が継承されなくなること」「原爆体験を共通の遺産にすべきだ」と訴え、核兵器廃絶運動と平和憲法を守る運動を結合させる意義について語りました。

 本氏は「日本が世界に果たすべき役割は憲法九条を生かすことだ」と訴えました。

 高草木氏は、世界と日本の核兵器廃絶をめぐる情勢と運動の現状についてふれ、そのなかで遠慮せずに核兵器廃絶と憲法九条を守ることを結びつけて語っていく必要があると述べました。

 2日目には、肥田舜太郎氏

(日本被団協原爆被害者中央相談所理事長)による「医師としての被爆体験を語る」と題しての講演と4つのテーマでの分科会がおこないました。肥田氏は、60年前に広島で原爆投下に遭遇したときを起点に被爆者を診療してきた自らの被爆医療の体験にもふれながら、被爆者によりそい、放射線被曝について学び、核の問題に明るい医者になってほしいと呼びかけました。

 原爆症の分科会では、韓

国から参加した2人の医師が2004年におこなった韓国人被爆者の実態調査の結果を報告。また劣化ウラン被害の分科会では、愛知医大の整形外科と放射線科で研修中の2人のイラク人医師がイラクの現状と健康被害について報告しました。

 つどいの最後に、核戦争を防止し、核兵器廃絶を求める活動を進め、憲法9条を守る運動を強めようとの「愛知宣言」を採択し閉会しました。

「第16回つどい」を終えて――実行委員長・堀場英也

 10月22日・23日に愛

知で開催された反核医師・医学者のつどいにご参加、ご協力下さった皆さんに心から感謝致します。

 昨年3月1日、反核医師の会・愛知の飯島宗一代表を亡くし、私が代表に、事務局長に中川武夫氏が選出されました。幸運なのは、中川氏が全国の会の常任世話人であったことです。

 私たちは、81年の第1回IPPNW創立以来、いち早く「反核医師の会」を設立し、代表に飯島先生が就任。そして、浅野晴義先生が将来を見越して、当時保団連役員であった私を事務局長に推薦しました。頼りない私でしたが、学生時代、演劇青年であったことで、広く演劇や音楽関係の知人があったので、加藤友康先生(名大混声合唱団・マジシャン)も参加。市民との結びつきが多かったことも幸いしました。

 特に第七回に続い

て今回も、中川先生のおかげで中京大学のキャンパスを利用することができました。

 今年は、被爆60周年という節目で名古屋は日本の真中で交通の便もよく、北海道から沖縄まで幅広く同志の先生がご参加いただいたことに私からも深く感謝申し上げます。

 私たちの感想を申し上げますと、肥田先生をはじめ、日本における優秀な演者を講師としてご招待できたこと。二人の韓国人医師による報告と医学生の若い多くの人たちの参加を得たこと。実行委員会にも夜遅くまで参加してもらいました。

 つどいに先立ちアニメ映画「アンゼラスの鐘」を東海で初めて上映しました。残念なことはつどい前日にモデルとなった長崎の秋月先生がなくなられたことを報告し、参加者で黙祷をささげました。

 今回は人数の面でも内容の面でも大成功であったと思います。

全国の皆さんに心

からのお礼を申し上げます。

在韓被爆者の実態調査を報告

 現地実行委員会の招きで韓国人医師のチョン・ヒョンチュン氏、キム・チンクク氏の2名が参加し、「在韓被爆者」の実態調査について報告しました。

 調査は国家人権委員会の承認を受け、2004年、韓国原爆被害者協会の登録者2235人を対象に実施され、過半数の1256人の有効回答を得たものです。

 9割の1189人が広島で、68人が長崎で被爆。そのうち0〜19歳で被爆した人が84.0%だった。疾患別ではうつ症状や白血病などの発生率が通常より高

いことや、高血圧(40.1%)、胃・十二指腸潰瘍(25.7%)、貧血(23.3%)などの疾患がある実態がはじめて明らかにされました。

 キム医師は、「被害者の9割は亡くなり、生存者のケアも十分ではない。朝鮮半島の平和が被爆者への唯一の慰安になる」などと訴えました。