「核兵器は非人道的兵器」と訴える
ー核廃絶集会ナガサキー
第5回核兵器廃絶−地球市民集会ナガサキが11月2日から4日まで長崎市で開かれ、「核兵器は非人道的兵器」と世界に訴え、約500人が参加した。開会挨拶を行った長崎市の田上富久市長は、「核兵器の被害を2度と世界に起こさせない。地球と人類を核から守る」と決意を述べ、基調報告を行った長崎原爆病院の朝長万左男院長は「最後の被爆地である長崎で開催される本集会が、核廃絶に向かう局面を打開する先駆けになることを期待する」と述べた。
2日目の分科会2「フクシマからナガサキを考える」では、高校生平和大使で福島県立小高工業高校の吉田有沙さんが、「私が住んでいた浪江町は2年以上経ってもあの日のまま。風評被害が終わらなければ福島の復興も進まない。2度とあの過ちを繰り返さないでほしい」と訴えた。また東京大学大学院の高橋哲哉教授は「人々の利益が福島の人々の犠牲の上に成り立つ『犠牲のシステム』が生まれている。今度青森の再処理工場が事故を起こせば、北半球全体が破滅する」と指摘した。
午後の分科会3「核兵器禁止の法的枠組みをめざして」では、日本反核法律家協会の大久保賢一事務局長が「武力で国際紛争を解決しようとすれば、核兵器は廃絶できない。核廃絶を願う者は戦争の廃絶も主張することが必要。だから戦力を放棄している日本国憲法9条を世界に広めることを同時に進めなければならない」と訴えた。パネリストの外務省軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課の野口泰課長は日本政府が「核兵器の人道的結末に関する声明」に賛同した理由を問われると、「声明は『いかなる状況においても,核兵器が二度と使用されないことが人類の生存そのものにとって利益である』と述べており、政府の考えと一致する」と述べるにとどまった。
最終日の全体会議では、オランダのスージー・スナイダー氏が日本の金融機関5社だけで核兵器開発企業に7100億円を融資している資料を配付し(詳しくはwww.DontBankOnTheBomb.com)、それらの銀行に「なぜ核開発企業に融資をするのか?」との疑問をぶつけていこうと訴えた。