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<5項目計画にまとめたIPPNWの2007年の目標>
IPPNW理事会は、核廃絶世界キャンペーンをおこなうことを承認し、小型武器キャンペーンを来年も継続することを決定した。
IPPNW理事会は2006年9月7日のフィンランド・ヘルシンキでの会合において、加盟組織や医師活動家が、核兵器廃絶、戦争防止、小型武器による暴力阻止にむけ、団結して共同で活動するための5項目計画を承認した。
以下は理事会が承認したIPPNWの2007年活動計画の概要である。今後、数週間あるいは数ヶ月以内に、特定のプロジェクトの詳細や報告が発表されるので、注意されたい。
1. 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)
IPPNWはこんにち、核兵器がいかに差し迫った脅威であるかを大衆や政策決定者に訴え、教育するための世界的キャンペーンを複数年にわたって展開することにする。その中心となるのは核戦争の影響と、核兵器廃絶を政治的現実にするための核兵器条約の必要性を強調するIPPNWに加盟する医師たちのメッセージである。今後、近い将来にこのキャンペーンをおこなう機会としては、イギリスの計画しているトライデントの入れ替えの中止、およびヨーロッパからのアメリカの戦術核兵器の撤去を要求することなどがある。また、IPPNWは、他のNGOと共同して、核兵器保有国がNPT条約の定めた軍縮義務を順守しているかどうかについて、新たに国際司法裁判所の勧告的意見を求める予定である。
2. 核拡散と保健についての国際会議
IPPNWは、2007年10月にロンドンで大規模な医師の会議を開催する。この会議の目的は、核兵器について医師がメッセージを発信することの重要性と、IPPNWのメッセンジャーとしての役割を再度、アピールすることである。また、マスコミにたいし、医学および公衆衛生の見地からも、こんにちの核の脅威を考えるように訴えるとともに、より広範な医学界に核兵器や核戦争防止の問題に取り組んでもらうことをめざしている。この会議までの1年間に、IPPNWは、垂直および水平拡散が健康に及ぼす影響について新しい研究調査をおこない、既存の核保有国、新しい核保有国や将来、保有国になる可能性のある国の兵器と政策、および核テロリズムを詳しく検討する。
3. 「防止をめざして」キャンペーン
小型武器暴力についてのIPPNWの活動は、公衆衛生の観点から、全世界で小型武器や軽量兵器が原因でおこる死や傷害に焦点をあてる。「ワン・ブレット・ストーリー(一発の弾丸の物語)」は、小型武器が個人にどのような影響を与えるかを描いたもので、研究、教育、政策のデザインと作成、被害者のケアとリハビリなどを中心に構成されるこの活動全体の基盤となっている。「防止をめざして」活動は、2007年も引き続いてラテン・アメリカ、アフリカ、南アジアを中心に展開されるが、われわれは北半球の加盟組織や活動家医師にも、もっと参加してもらいたいと考えている。
4.グローバル・ヘルス・アラート/手紙キャンペーン
これは「戦争はあなたの健康に悪い」というメッセージを中心とした、新しい大衆啓発ツールである。毎年、戦争と健康について、ある特定の側面をテーマとしてとりあげ、2回から3回、それについて警告書を送る。警告書には資料セットがついていて、加盟組織はこれを使用して、宣伝、講演、ワークショップ、マスコミ・キャンペーンなどをおこなうことができる。この活動の特別の取組みとして、IPPNWの優先課題を中心とした、年3回から4回の、電子メールとウエブサイトを利用した手紙を書くキャンペーンもおこなう。
5. 医学生の支援
医学生は医師の国際的運動の将来であるだけでなく、現在でもすでにIPPNWの現行の活動やキャンペーンのいくつかに最も効果的な貢献をしている。したがって、IPPNWとしては、活動、財政、リーダーシップ開発などあらゆる分野で医学生の運動に優先的に投資し、IPPNWのあらゆる活動に医学生が参加することをサポートする。
(訳:反核医師の会)