「第11回核戦争に反対し核廃絶を求める医師・医学者のつどい」
   第1分科会 青年医師と核・平和/平和教育の問題点
     発表 若手医師のアンケート結果  から
  ※ 以下の結果は「兵庫県反核医師の会」のニュースからの引用です

 

=== 反核医師・医学者のつどいアンケート ===

 第11回反核医師・医学者のつどいでは、医師・医学生の「反核・平和」への意識を探ろうと、
アンケートを実施。36歳以上医師207人、35歳以下医師62人、
医学生110から回答を得た。以下その内容を報告する。

 

1大学で平和教育を受けたか

合計(%)
医師36歳以上
医師 35歳以下
医学生
はい
4.9%
5.3%
1.8%
5.7%
いいえ
83.8%
84.1%
80.7%
84.9%
わからない
11.4%
10.6%
17.5%
9.4%

 「大学で平和教育を受けたか」については、「いいえ」が83.8%、「はい」はわずか4.9%にとどまっている。


2 核兵器は廃絶できると思いますか

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
思う

37.1%

46.5%
27.4%
24.5%
やや思う
19.0%
15.0%
16.1%
28.2%
どちらともいえない
19.2%
14.6%
25.8%
24.5%
思わない
22.3%
21.6%
30.6%
19.1%
わからない
2.3%
2.3%
0.0%
3.6%

「核兵器は廃絶できるかと思うか」については「思う」が37.1%で、「思わない」22.3%を上回っている。


3 核兵器廃絶は医師・医学者の社会的責任の一部と

合計(%) 36歳以上医師 35歳以下医師 医学生
思う
47.4%
59.3%
33.9%
31.8%
やや思う
27.5%
22.9%
30.6%
34.5%
どちらともいえない
14.8%
8.4%
25.8%
20.9%
思わない
9.1%
8.4%
9.7%
10.0%
わからない
1.3%
1.9%
0.0%
2.7%

  「核兵器廃絶は医師・医学者の社会的責任の一部と思うか」は「思う」「やや思う」をあわせると74.9%と、「思わない」9.1%を大きく上回っている。年齢層別に見ると、36歳以上で8割を超えているのに対し、若年層の35歳以下・医学生が6割台となっている。


4 反核運動は自らのテーマとし

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
極めて価値あり
23.2%
30.6%
7.0%
17.3%
かなり価値あり
32.1%
33.8%
28.1%
30.9%
いくらか価値あり
34.7%
25.5%
47.4%
46.4%
価値は少ない
8.1%
8.3%
12.3%
5.5%
価値なし
1.8%
1.9%
5.3%
0.0%

「反核運動は自らのテーマとして価値はあるか」については「極めて価値あり」23.2%、「かなり価値あり」32.1%、「いくらか価値あり」34.7%と、「価値あり」が90%と圧倒的。


5 NGOが行っている反核活動を

合計(% )
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
十分評価する
43.7%
53.3%
25.4%
34.6%
一部評価する
36.5%
36.3%
37.3%
36.4%
どちらとも言えない
17.2%
7.5%
35.6%
26.2%
あまり評価しない
2.6%
2.8%
1.7%
2.8%
全く評価しない
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%

「NGOが行っている反核運動について」は「十分評価する」「一部評価する」をあわせると80.2%となっている。


6 憲法9条について

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
遵守すべき
76.4%
81.3%
77.4%
66.4%
知らない
1.3%
0.5%
3.2%
1.8%
改訂もありうる
14.0%
11.7%
12.9%
19.1%
どちらとも言えない
4.7%
1.9%
4.8%
10.0%
改訂すべき
3.6%
4.7%
1.6%
2.7%

  「日本国憲法九条について」は「遵守すべき」が76.4%と多数を占めているが、「改定すべき」「改定もありうる」も17.4%となっている。医学生の「遵守すべき」が66.4%と、全体より10ポイント低くなっている。


7 東海村臨界事故関連データを公開して医学教育に役立てる必要があると

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
思う
76.7%
86.0%
72.6%
60.9%
やや思う
15.8%
9.3%
14.5%
29.1%
どちらともいえない
5.2%
3.3%
8.1%
7.3%
思わない
0.8%
0.9%
0.0%
0.9%
わからない
1.6%
0.5%
4.8%
1.8%

「東海村臨界事故に関するデータを医学教育に役立てるべきと思うか」については、「思う」「やや思う」が92.5%となっている。


8 原爆被爆の医学的実相を医学部で教育すべきと

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
思う
73.2%
82.2%
64.5%
60.9%
やや思う
17.1%
10.3%
17.7%
30.0%
どちらともいえない
6.5%
4.7%
11.3%
7.3%
思わない
2.6%
2.8%
3.2%
1.8%
わからない
0.5%
0.0%
3.2%
0.0%

「原爆被爆の医学的実装を医学部で教育するべきだと思うか」も「思う」「やや思う」が90.3%となっており、放射能被害・被ばく実態の教育に対する要求が強くあらわれている。


9 医学部での教育課程に平和教育は必要と

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
思う
60.5%
66.8%
56.5%
50.5%
やや思う
18.4%
16.4%
14.5%
24.8%
どちらともいえない
14.0%
8.9%
24.2%
18.3%
思わない
5.7%
6.5%
4.8%
4.6%
わからない
1.3%
1.4%
0.0%
1.8%

「大学医学部での教育研修改定に平和教育が必要だと思うか」については「思う」「やや思う」が78.9%。


10 どのような項目で平和教育をする必要があるか

  合計(%)
憲法9条論議
39.4%
日米安保
30.8%
沖縄基地
28.1%
広島長崎核被害
57.8%
東海村臨界事故
49.1%
チェルノブイリ事故
44.8%
世界のNGO反核運動
23.5%
国内の核廃絶の動き
20.8%
世界の核被害
41.6%
地雷の問題
22.9%
南北の経済格差
15.1%
ビキニ水爆被災
29.4%
青森六ヶ所村問題
19.1%
プルトニウム問題
25.9%

「どのような項目で平和教育をする必要があるか」については「広島長崎の核被害」「東海村臨界事故」「チェルノブイリ事故」「世界の核被害」と「被爆の実相」に関するのもの上位を占めている。


11 北アジアに非核地帯をつくる必要があると

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
思う
66.8%
74.6%
62.9%
54.1%
やや思う
10.9%
6.8%
11.3%
18.3%
どちらともいえない
13.0%
10.2%
16.5%
16.5%
思わない
2.1%
2.9%
0.0%
1.8%
わからない
7.2%
5.4%
9.7%
9.2%

「北アジアに非核地帯をつくる必要があると思うか」については、「思う」「やや思う」が77.7%、「どちらともいえない」が13%、「わからない」も7.2%となっている。


12 日米安保条約についての意見

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
即時廃棄
33.1%
44.4%
27.4%
14.7%
段階的廃棄
34.7%
31.9%
35.5%
39.4%
いずれ廃棄
17.7%
13.5%
21.0%
23.9%
わからない
13.0%
8.2%
14.5%
21.1%
遵守すべき
1.6%
1.9%
1.6%
0.9%

「日米安保条約について」は「段階的廃棄」が最も多く34.7%。「即時廃棄」33.1%、「いずれ廃棄」17.7%とあわせると「廃棄」が85.5%にも達している。


13 IPPNWをご存知ですか

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
活動内容も知っている
38.8%
54.3%
33.9%
11.9%
名前だけ知っている
30.3%
30.3%
41.9%
23.9%
知らない
30.9%
15.4%
24.2%
64.2%

「IPPNWの活動について」は「活動内容も知っている」が38.8%だが、「しらない」も30.9%と3割を超えている。


14 将来日本が参戦する可能性は

合計(%)
36歳以上医師
35歳以下医師
医学生
十分ある
49.5%
59.2%
51.6%
29.4%
少しある
13.1%
13.7%
16.1%
10.1%
ないとはいえない
31.4%
21.3%
27.4%
53.2%
絶対ない
1.6%
1.9%
1.6%
0.9%
わからない
4.5%
3.8%
3.2%
6.4%

「日本が将来参戦する可能性」については、「十分ある」が49.5%、「少しある」13.1%、「ないとはいえない」31.4%となっている。